たんぷーりについて
「たんぷーり」とは
インドの弦楽器、タンプーラの小型のもので、メロディーを奏でるのではなく基底の音程を奏でる楽器です。その音を聞くことも瞑想的といわれています。
こんにちは。
おにぎりと瞑想のかふぇ たんぷーり です。
たんぷーりは、2017年2月5日に日曜日限定のカフェとしてオープンしました。釜ヶ崎、あいりん地域で「ハレトケの会」をおこなっている小手川望と花の宮祐三子の協働プロジェクトです。
それぞれの視点でお店の紹介を書きました。
ご一読いただければ幸いです。
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「おにぎり」と「瞑想」
このふたつ、一見あまり関係の無いものかもしれません。
わたしたちは、このふたつを結びつけたかふぇ たんぷーり を開店しました。
日々の糧としての「おにぎり」
こころの休息やお掃除としての「瞑想」
どちらもわたしたちの生活のうえで欠かせないエッセンスなのではないか。
わたしたちは、釜ヶ崎やあいりんと呼ばれる地域で、地域のひとり暮らし高齢男性を主な参加者として、体操と瞑想の会を開催してきました。
毎日の生活の中も、自分のからだと向き合い、いたわったり、瞑想で静かに座って内省する時間をもちたいと希望してくださる方々との出会いがあって、5年目に入りました。
その延長線上で、新今宮駅前に「おにぎりと瞑想のかふぇ たんぷーり」を開店することになりました。
瞑想を担当してくれている祐三子さんが書いてくださっているように、その雰囲気を、かふぇで気軽に体験していただけたらと思っています。
お料理は、この地域の方が育てた無農薬野菜を主に使い、お米は、知り合いの農家の方がつくられた無農薬のお米。お魚も近畿近郊の海で獲れたものを中心にしています。
また、店内には、ちいさなライブ用ステージもあり、音楽や演劇、演芸、トークイベントなども企画しています。
地域の方、瞑想に興味のある方、表現活動をしている方、また釜ヶ崎に興味をもって訪れたいと思っている方、たくさんの方に立ち寄っていただけるお店になればと願っています。
小手川望 拝
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★働き方
遊ぶように働きたい。遊ぶことと働くことが一体になったように。
上司からの命令で動くのでもなく、それぞれが、自分の好きなこと、得意なことを生かして、自分のリズムを大切にして主体的に動く。
★おにぎり
両手のぬくもりを通して生まれる産物。
実は、「おにぎり屋さん」をするのは、大学時代にちょっくら抱いていた夢。
それが今、望さんの見立てによって引き出されたのがおもしろい。
昔からうちの家は、ありがたいことに、冷凍食品やできあいのおかずを買うようなことはなかった。そして、大好きなコロッケを丸めるのは、小さな頃の私のお気に入りだった。
おにぎりの思い出は、もっぱら幼稚園の頃に握ってくれたおばあちゃんのおにぎり。それはとてもちっちゃくて、塩加減のきいた俵のおにぎり。
そう うちでは、三角のおにぎりは存在しなかった。 まあるいのだ。
コロッケを丸める、おにぎりを握る、
そこに共通するのは、両手でしっかり、しかも やわらかく まあるくにぎること。
それは私が胸ハートの延長である両手を通して、愛をこめ て 作り上げる 産物 その原点である ように 思われる。
たんぷーりのお店で そんな素朴な「賜物」が皆さんに届けられたらな♪と思います。
★瞑想
この地域で望さんと一緒に約5年前から瞑想を分かちあってきた。ごく少数の方々とは言え、とても楽しみにして下さっているのは嬉しいことだ。
最近は、ほぼ盲目に近い方も毎回参加下さって、周りの方から最近すごく明るくなられたのは、瞑想の効果やと思います!って。。。
こんな方もいらっしゃるくらいだから、潜在的には瞑想をしてみたいと思われる方も多いのではと思います。
でも、何だかとっつきにくかったり、かたぐるしいイメージがあって、足を踏み入れにくいのかなと。
そんな方も、ちょっとご飯食べにきたついでにやってみようかな?っという気軽さで 瞑想の香りに触れていただけるようなスペースにできたらなと感じています。
私にとって、瞑想って、心を軽くし、日頃のごちゃごちゃした頭でっかちな状態から 静けさを取り戻すもの。
普段押し殺している感情も解き放ち、自分の中心にかえっていくようなもの。
決して深刻なものではなく、プレイフルで、生をよりインテンスに悦びに満ちて生きること。
私達のお店たんぷーりでは、そんな瞑想の香りを タンプーリという楽器をひとつの鍵として用いてみようか と思っているのです。
タンプーリという楽器は、インドの弦楽器。メロディを奏でるものではなく、基調になる音を脇役として奏で続けられるのですが、調和を保つためのとても大切な存在。
瞑想はこのタンプーリの存在に似ているのかなと思います。
たまには 全ての活動をやめて、ふとこの楽器の穏やかな音色を聴き、その静かな波が心にしみわたっていく、そんなひとときを過ごすことをしてみては いかがでしょうか?
そして 願わくは、食べる、歩く、話す、、、そんな日常生活のいつの時にも、その響きのような気づきが行き渡っている
そんな事を願っているのです
花の宮祐三子拝
小手川望 (こてがわのぞみ)
ハレトケの会主宰。2011年から釜ヶ崎でフェルデンクライスの会、2013年から祐三子さんとともに瞑想会を開いています。2017年2月にたんぷーりをオープンしました。
演劇制作。社会のきわや人と人の間に表れる演劇について考えています。
花の宮 祐三子 (はなのみや ゆみこ)
自然と親しみ、静けさ感じて 舞いうた絵描き。
瞑想会をひらいたり、インド古典舞踊odissi を踊ったりしています。
ハレトケの会
釜ヶ崎の地で、フェルデンクライスや瞑想を行う「リラックス体操の会」や落語研究会を運営しています。